◎保存修復の世界
文化財とは、国宝や重要文化財のことを指して言いますが、指定文化財に限らず、広い意味で私たちの周りにある貴重な絵画や美術工芸品、歴史的資料など文化的財産の修復処置においては、単に見た目の景観を整えるのではなく、その本質である制作原初に使われた材料素材、それからなる姿形、色合いを、可能な限り保護し、延命することが求められます。 私たちのおこなう処置を『保存修復』と呼ぶのは、処置対象となる物の核心を『保存』しながら、なお痛んだ箇所の『修理』をしなければならないからです。このコーナーでは、文化財修復の考え方やアプローチ、方法、技術に加えて、修復現場で用いる材料素材、器材などのご紹介をしています。
私たちの考える修復処置 |
保存修復のアプローチ |
絵画作品を観察する |
光を利用した絵画の調査法 |
紙の健康診断 |
紙の健康診断 |
画像記録をつくる |
デジタルカメラの調整法 |
彩色材料 |
絵画修復に利用する絵の具 |
樹脂と接着剤 |
絵画修復に利用する樹脂と接着剤 |
伝統的な接着剤の製造法 |
正麩糊(しょうふのり)のつくりかた |
修復現場における和紙の取扱い |
和紙の裁断と接合方法 |
紙資料のトリートメント |
紙の体質改善と延命法 |
補彩を考える |
欠けた色を補う方法と考え方 |
きれいな水をつくる |
高度濾過装置の利用 |
紙製ハニカムボードの応用 |
軽量大型額の試作 |